”家族”とはどういった関係なのでしょうか。俺は最近まで、家族という関係を、遺伝子的連続性の観点からのみ捉えていました。つまり、親子の絆はまさしく血のみだという風にです。極論すれば、養子の親子関係を赤の他人とみなしていたわけです。

 しかし、一人暮らしをすることで、血に比すれば取るに足らないものであったはずの、精神的な絆が如何に大切なものであるのかを実感しました。お互いを相互に深く認識することで生じるものこそ、より良く生きる上で欠かせない要素なのでしょう。

 ”誕生日おめでとう”この言葉を一度もかけられたことのない人などいないでしょう。捉えようによっては一年の内で最も大切な日を、何倍にも輝かせてくれる一言です。その一言を、当たり前のように言ってくれる存在がどれだけかけがいの無いものなのかは、少し距離をおいてみなければわかりません。

 あらゆる関係の本質は、部分的にではあれ、この当たり前というかけがいの無さによっているように感じます。そしてそれは、唯一つではなくとも、ごくごく少数の相互関係間でのみ成り立つものだと思います。だからこそ、そのごく限られた当たり前というかけがえの無さを知らずして、仮初の関係になびく者の末路はああも哀れなのでしょう。

 家族、親友、そして家族。関係の連鎖の中で、真に築かれてゆくものとは何なのでしょう。

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